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お産後の痛みを軽くするためにできること~会陰マッサージの方法とおすすめのオイル~

お産の痛みを「鼻からすいか」と例えることがありますが、お産がつらいのは陣痛といって、子宮が赤ちゃんを送り出すために収縮することによるものがほとんどです。

赤ちゃんが産まれる瞬間の痛みは、陣痛に比べれば、記憶に残るようなものではありません。

ところで、お産の痛みより、お産後の痛みの方が辛いことがあるということをご存知でしょうか?

お産後の痛みには、お産の時に膣口が切れてしまった、又は切ったことによる痛みと後陣痛といってお産後に子宮が元の大きさに戻ろうと収縮する痛みがあります。

後陣痛は初めてのお産よりも、経産婦さんの方が、子宮の収縮が早く、痛みも強くなります。生理痛のような痛みです。

また、授乳によって分泌されるホルモンと子宮を収縮するホルモンは同じなので、授乳中にキューと痛くなります。

後陣痛については体が元に戻るためには必要な痛みなので、痛み止めの薬を飲むなどして対応すると良いでしょう。

お産の時にできる傷の痛みについては、名誉の負傷とも言いますが、できれば最小限にしたいものです。

傷ができるときは赤ちゃんの頭で圧迫されていて麻痺しているということや、陣痛が強いことの方が辛いということから、痛みはあまり感じない方がほとんどです。

しかし、お産後に、傷を縫う時や傷が治っていく過程では、少なからず辛い思いをします。そこで、お産の時にできる傷を最小限にするために、できることについて考えてみたいと思います。

赤ちゃんはどうやってでてくるの?

赤ちゃんが産まれるとき、狭い産道を行ったり来たりしながら進んできます。

そして、もう産まれるというところで、赤ちゃんの後頭部が膣口から見えたり見えなくなったりします。

赤ちゃんは頭で、お母さんの膣口を伸ばしながら産まれてくるのです。

初めてのお産の場合は、排臨といって赤ちゃんの頭が見えたり、見えなくなったりするようになってから、産まれるまでに1時間くらいかかることもあります。

膣口が十分に伸びない場合は、切れてしまうことがあります。また、肛門の方に割けないように切開をいれることがあります。

どこが切れるのでしょう?

膣口が十分に伸びない場合には切れると説明しましたが、どの部分が切れやすいのでしょう。

肛門と膣口の間の皮膚組織を会陰といいます。

赤ちゃんはこの会陰というところを頭でぐいぐい押して伸ばして産まれていきます。

ですので、この会陰が伸びにくい場合や、十分に伸びる前に強くふんばってしまうことで、切れてしまうことがあるのです。

どんな時に会陰切開をしますか?

会陰切開は医師又は助産師が会陰をはさみで少し切ることによって、膣口を広げることをいいます。

裂けてしまうよりは、切ったことで傷が小さくて済むという考えから、初産の方には、ほとんど会陰切開を行うという医師もいます。

しかし、会陰切開をしたほうが重度の会陰裂傷につながるという研究結果もありますので、会陰が伸びるのを十分に待ち、切開を最小限にとどめるという医師もいます。

ただ、お産のストレスで赤ちゃんが苦しくなってしまった場合は、少しでも早く出してあげたほうが良いので、待たずに切開をいれます。

会陰が伸びやすい人と伸びにくい人がいる

海外の研究結果ですが、非アジア人に比べ、アジア人は重度の会陰裂傷が多いとされています。

国によってお産のスタイルなどが違いますので、一概にアジア人の会陰の伸びが良くないから裂傷が多いとは言えませんが、アフリカ系の方のお産を担当した時、赤ちゃんの頭が出てくる時に膣口がみるみると広がっていくことに驚いたことがあります。

また、日本人の方でも会陰が伸びやすい方と伸びにくい方がいますし、初産の方よりは経産婦さんの方が会陰の伸びが良いです。

会陰の伸びを良くすることはできる?

では、会陰の伸びをよくするためにできることはないのでしょうか?

会陰の伸びを良くするためにできることとしておすすめなのがキーゲル体操と会陰マッサージです。

キーゲル体操は骨盤底筋群運動ともいいますが、どちらかというと、お産の後に肛門や膣の周りの筋肉を鍛えなおし、尿失禁を防ぐための運動として紹介されることが多いです。

肛門を締めたり、ゆるめたりすることで骨盤周りの筋肉を鍛えるという運動です。

肛門をぎゅっと絞めた後にゆるめる感覚をしっかり感じながら行うことで、膣口の周りの筋肉の伸びが良くなります。

この体操はどこでもできますので、トイレの後や寝る前に10回位ずつとポイントを決めて何度も行うと良いでしょう。

会陰マッサージとは

引用:妊娠から出産まで知っておきたいこと 図版参照

会陰マッサージとはオイルを使って、自分の手で会陰をマッサージすることです。膣の内側に指をいれることに抵抗がある方は外側からマッサージするだけでも違います。

会陰マッサージを、妊娠34週頃から週に3~7回、一回に5~10分行った人たちと、会陰マッサージを行っていない人たちを比べると、行っていた人たちの方が「縫合を必要とする会陰裂傷」「会陰切開の実施」「産後3か月時の会陰の痛み」が少なかったという研究結果があります。

会陰マッサージをやってみよう

会陰マッサージは妊娠後期の妊娠34週ころから行います。

引用:AMOMA 図版参照

早産の徴候がある方など、行わない方が良い方もいますので、医師や助産師と相談してから行いましょう。

一回に5~10分、毎日行うのが理想ですが、一日おきでも続けることで効果はあります。

まずは、スイートアーモンドなどのオイルを用意します。

爪は短く切っておきます。入浴後などリラックスした状態で行います。

壁などに寄りかかって体育座り、または立って片足を踏み台のような台にあげて行います。お腹が大きくなってくると、立って片足をあげる方がおこないやすいです。

また、パートナーが協力してくれる場合は横になって行っても良いです。ただ、長い間、仰向けに寝ていると、お腹が血管を圧迫し血圧が下がることがあるので、気を付けてください。

  • 妊娠34週頃から
  • 一日おきに5~10分/回
  • オイルを準備する
  • 爪を短く切る
会陰マッサージの方法
  1. 指と会陰の部分にオイルを塗ります。
  2. 親指を5㎝程度膣内に入れて膣口を肛門方向に押します。
  3. 膣口を左右に押します。2.3を5回位、行います。
  4. 親指と人差し指で膣口の皮膚を挟み、肛門を6時方向とし、3時から9時の方向にUの字を書くようにマッサージします。
    ※膣の中に指をいれることに抵抗のある方は外側にオイルをつけてマッサージするだけでも効果があります。

会陰マッサージを始めて、一週間くらいは会陰部に痛みや熱い感じなどの違和感がある方が多いようですが、続けているうちに治まってきます。

また2週間程度で皮膚が柔らかくなり、弾力性が増したように感じます。

会陰マッサージにはどのようなオイルを使うと良いか?

会陰マッサージを行うにはどのようなオイルを使うと良いのでしょう。

基本的には植物性のオイルであればなんでも良いのですが、不純物がなるべく入っていないものが良いでしょう。

マッサージ効果を高めるためには、肌を柔らかくする働きのある、スイートアーモンドオイルやカレンデュラオイルがおすすめです。

オイルを使う前にはパッチテストといって、アレルギーがないかを確かめるテストを行ってください。

【参考URL】

パッチテストの方法

パッチテストは皮膚がかぶれないかを確かめるテストです。

二の腕の内側に10円玉程度の大きさで塗ってみて24時間後に皮膚がかゆくなったり、赤くなったりしていないかを確認します。

服などでこすれてしまうことや、汗などで流れてしまうことで、正確ではなくなるのでコットンや絆創膏に塗って張っておいても良いです。

ただ、絆創膏やテープで赤くなる場合は正確に判断できません。皮膚科などで本格的に検査してもらうこともできます。

皮膚科などで行う場合は背中に専用のテープを48時間貼って行います。

検査やテストといわれると難しく感じるかもしれませんが、自分の肌に合っているかどうかを確かめるだけです。

広範囲に使う前に局所的に使ってみて、確認しましょうというものです。

会陰マッサージにおすすめのオイル

スイートアーモンドオイル

アーモンドの種からとれる油です。

アーモンドには抗酸化作用のあるビタミンEが多く含まれていますので、オイル自体が長持ちしますし、肌にも抗酸化作用や、抗炎症作用があります。

また、皮膚を柔らかくする効果やかゆみを抑える効果もありますので、会陰マッサージに適してします。

カレンデュラオイル

カレンデュラはキク科の花で、日本ではキンセンカといいます。

この花をオリーブオイルなどに浸して、油分を抽出したものをカレンデュラオイルといいます。

カレンデユラオイルには、傷ついた皮膚や粘膜を修復し保護する効果があります。

また、皮膚を柔軟にする作用や抗酸化作用もあるので、会陰マッサージだけではなく、妊娠線の予防にも使えます。

ホホバオイル

ホホバの種子からとれる油です。

ビタミンEが多く含まれていて、抗酸化作用があります。また、

ホホバオイルには肌に含まれている成分と同じ成分であるワックスエステルが含まれているため、肌に優しく、皮膚を強くする効果があります。

肌とのなじみが良いので、クレンジングや保湿にも使われます。

馬油

馬油は馬のお腹や首の皮下脂肪からとれる動物性の油です。

馬油は食用としても使われ、赤ちゃんの口に入っても安全なことから、授乳中のお母さんが乳首を保護する目的でよく使われています。

成分が肌の細胞間の脂質と似ているため、肌に浸透しやすく、血液循環を良くする効果や保湿・保温効果があります。

抗炎症効果や抗酸化作用もありますので、肌を健康な状態に保ってくれます。

会陰マッサージをしたからといって、100%会陰の傷を防げるわけではありません。

でも、会陰マッサージをすると、もし切れたとしても傷が軽くすみますし、会陰を柔軟にしておくことで産後の痛みも軽減します。

会陰裂傷は痛いだけではなく、産後の排泄機能に影響が生じることや、性交時の違和感につながることもあります。

引用:ママズケア  図版参照

会陰マッサージやキーゲル体操で膣口を柔軟にしておくことで、会陰の傷を軽くするだけではなく、お産の時間を短縮する効果もあります。ぜひ、できることは、なんでもしてみてください。

お産に携わる医師や助産師はできるだけ、お母さんの希望に沿ったお産になるように援助したいと思っています。

ですので、「できれば会陰切開をしたくない」と希望を伝えていただくことで、できるだけ会陰が伸びることを待つこともできますので、希望を伝えてみてください。

ただ、赤ちゃんやお母さんの状態によっては早くお産を進行させなければいけないこともありますので、会陰切開が必要なこともあります。

でも、切開を入れたからといって、がっかりしないでください。一番大事なことはお母さんと赤ちゃんが無事にお産を終え、新しい生活をスタートさせることですから。

【参考URL】

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