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出生前診断の遺伝子検査で何がわかるのか知りたい

1.出生前診断を受けるには条件がある

子どもを望んでいる人にとって妊娠の判明はとても嬉しいことですが、妊娠中健康な赤ちゃんが生れてくるのか、もし子どもに障害があったら自分に育てられるのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。

喫煙や飲酒を辞めたり、カフェインの摂取を控えたり、葉酸のサプリメントを飲んだりと、妊娠中の女性は赤ちゃんの健康を守るためにたくさんの努力をしています。

ただ、努力だけではどうにもならないこともあるのが現実で、私自身もっと若いうちに妊娠への努力をしておけば良かったと後悔したこともあります。

特に最近は、結婚や出産の平均年齢が上がっており、高齢出産のリスクも盛んにメディアなどで取り上げられているので、そんな特集を見る度に不安に思ったりもしていました。

だからこそ、出生前診断を受けることも考えたわけですが、出生前診断は誰でも受けられるわけではないし、受けられる時期も決まっています。

また、産婦人科の医師が出生前診断の適応となる人に受けるよう奨める義務があるわけでもないので、妊婦さんやその家族に知識がなければ、検査の存在を知らないまま出産に至るということも珍しくはありません。

出生前診断の適応になるのはどんな場合?

出生前診断には、障害や病気の有無で生命を選別するといった倫理的問題が指摘されており、誰でも検査を受けられるわけではないですし、検査だけでなく妊婦さんや夫婦がしっかりと意思決定できるようなカウンセリングも設けられています。

引用:中日メディカルネット 図版参照

具体的にどのような場合に出生前診断の適応になるのかというと、高齢妊娠(母親が出産予定日時点で35歳以上)、両親のいずれかが染色体異常の保因者、これまでの妊娠で胎児の染色体異常を指摘されたことがある、妊婦健診時の超音波検査で胎児の奇形が疑われる等となります。

あくまでも、医学的な適応があることと妊婦さんや夫婦の希望がある場合に限られるので、適応に入っていても、希望がなければ受けないという選択をすることももちろんできます。

2.出生前診断でわからない染色体異常や遺伝子疾患もある

出生前診断には、母体血清マーカー検査や新型出生前診断等お母さんの血液検査といった比較的低侵襲のものから、羊水検査や絨毛検査等組織の一部を採取するために出血や感染等のリスクが伴う検査まで様々なものがあります。

簡単に言うと、採血の検査で染色体異常が起こり得る確率があるかどうかを見て、確率が高ければ組織の検査で確定診断をするといった流れが一般的ですが、採血の検査で分かる病気はごく1部であり代表的なものにダウン症(21番染色体トリソミー)があります。

組織を採取する検査では、採血の検査でわからない染色体異常でも発見できるものがありますが、それでも全ての異常が発見できるわけではありません。

1回の穿刺で組織がきちんと採取できるか、採取できても検査できるくらいの数まで細胞を増やすことができるか、異常の細胞があったとしても今回の検査では正常な部分だけを採取したということだってあり得るわけです。

実際にどんな子どもが生まれてくるかは生まれてみないと分からない部分が多く、出生前診断を過信するべきでないとは思いますが、何らかの理由で特定の染色体異常が疑われるなら検査を考慮してみるのも良いと思います。

3.新型出生前診断でわかること

新型出生前診断(無侵襲的出生前遺伝学的検査NIPT:Non-invasive prenatal genetic testing)とは、お母さんの血液を採取して胎児の染色体異常を調べる検査になります。

引用:中日メディカルネット 図版参照

この検査で調べることができる染色体は、13番、18番、21番のトリソミー(2本で対をなす染色体が3本ある状態)です。

13番や18番の染色体異常は、21番の染色体異常に比べ、自然に淘汰されてしまう(自然流産)することが多く、現在最も多い先天性の染色体異常は21番染色体の異常です。

そのため、新型出生前診断はダウン症としてよく知られる21番染色体の異常の有無を調べる目的で行われることが多くなります。

この検査が陰性であった場合、胎児に染色体異常が無い確率は99.9%とも言われており、非常に精度の高い検査だと言えます。

一方、陽性の結果が出ても、それは胎児に染色体異常が有ると確定するわけではなく、あくまでも「染色体異常の可能性がある」という診断に留まるため、確定診断をつけるためには羊水検査や絨毛検査が必要となります。

確定診断に進むかどうかは、妊婦さん自身やご夫婦でよく相談して決めるべきであり、受けないないという選択をされる方も多数おられます。

【参考URL】

4.羊水検査でわかること

引用:クリムフ夫律子のマタニティクリニック 図版参照

羊水検査では、母体から採取した羊水中の細胞を培養し、染色体に重複や欠損等の異常があるかどうかを医師や検査技師等の専門家が顕微鏡を用いて自分の目で検査します。

そのため、新型出生前診断のように限られた染色体に対してではなく、ほとんどの染色体異常を発見することができるとされています。

遺伝的な原因から、特定の染色体異常について不安があるという場合は、そこに焦点を当てて検査をするということになります。

ただし、非常に小さな欠損やモザイク型と言われるような正常細胞と異常細胞が混じったタイプでは診断が難しくなることもあります。

羊水検査では、ほとんどの染色体異常が発見できるわけですが、先天的な病気のうち染色体異常や遺伝子異常に起因するものが2割程度だと言われています。

つまり、羊水検査をして染色体異常が見つからない=胎児に病気がないことや障害児ではないということにはなりません。

羊水検査は、リスクがある検査ですから、そのような点も考慮して受けるかどうかを考えていただきたいと思います。

5.遺伝カウンセリングって何をするの?

遺伝カウンセリングでは、遺伝について何らかの悩みや不安を持つ個人やその家族に対して、遺伝の専門家が必要な情報を提供・開示し、相談に訪れた人が情報の意味や重要性等を理解した上で自己決定できるようにサポートします。

引用:近畿大学大学院 図版参照

2013年に新型出生前診断が認可され、従来に比べ精度の高い検査が簡単に行えるようになったわけですが、諸外国に比べ日本では遺伝の専門家が実施する遺伝カウンセリングがあまり普及していません。

検査自体は簡単にできるようになり診断を希望する人も増加するでしょうが、出生前診断の結果は胎児の命や夫婦の一生等を左右するような非常に重いものであり、結果そのものと同じくらい、結果をどう理解して、どのようにすれば最善の選択ができるかを考えて実行することが重要なのです。

実際に出生前診断の普及にあわせて、人工妊娠中絶の件数が増えているという報告もあります。

そういった理由から、出生前診断における遺伝カウンセリングはとても重要なものとなりますので、そういったフォローの体制がしっかりしているかという所も病院選びの重要なポイントとなります。

【参考URL】

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