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妊娠中の子宮筋腫。備えあれば憂いなし!

子宮筋腫発覚!私のマタニティライフはどうなる!?

子宮筋腫を持ちながら妊娠している女性の割合は、全妊婦のおよそ0.5~3%といわれています。妊娠したことで産婦人科を受診し、その時に発覚する場合も多く、不安を抱えている人も少なくありません。

穏やかな気持ちでマタニティライフを送るためのヒントをまとめました。

大切なこと

子宮筋腫の医療は進歩しています。今や筋腫を持ちながらの出産も珍しくありません。大半のお母さんが無事に妊娠・出産をしてきました。

しかし筋腫を持たない妊娠に比べるとリスクが高いこともあります。神経質になる必要はありませんが、まずは普段の生活で、なるべく無理をしないよう心がけていくことが大事です。

引用:日本産婦人科学会  図版参照

日中少しでもいいので横になる時間をつくったり、体がきついと感じる行動はやめ、無理に続けたりしないようにします。不安な事や症状の異変を感じたら、迷わず医療機関などに相談するとよいでしょう。

妊娠中の筋腫、これからどうなっていくの?

妊娠中の筋腫は、大きくなったり形が変わったり逆に小さくなることもあります。

引用:セイナヤ 図版参照

筋腫が大きくなる原因は2つ。妊娠に伴う「エストロゲンの増加」と「血液量の増加」があります。エストロゲン(黄体ホルモン)とは、妊娠を継続していく為に必要な女性ホルモン中の1つです。

母親の血液の量は胎児へ栄養を送る為に妊娠前の10倍増えます。これらを栄養にして筋腫は最大2~3倍に増大することもあるようです。

そもそも子宮筋腫って何?それはどこにできるの?

引用:岡山大福クリニック  図版参照

子宮筋腫とは子宮の壁にできる良性の腫瘍(コブ)で、成人女性の4人に1人は持っているといわれるポピュラーなものです。

症状が現れるのは30代から40代ですが、20代からもっていることもあります。自覚症状がない場合、そのまま知らずに一生を送ることもあります。

子宮の壁は内膜・筋層・漿膜(しょうまく)の3つの層が重なってできています。筋腫はこのいずれかの層にできます

形状や発生部位によって名称が変わり、それぞれ「粘膜下筋腫」「筋層内筋腫」「漿膜下(しょうまくか)筋腫」などと分類されます。

粘膜下筋腫 子宮の内腔(内側)で発育していくので、子宮全体が大きくなる。
筋層内筋腫 最も発生率が高く、妊娠・分娩にも影響が大きいといわれているもの。筋腫が大きくなるにつれて子宮の形や大きさが変化していくことがある。
漿膜下(しょうまくか)筋腫 外側に大きくなっていき、子宮の形はほとんど変わらない。腫瘍が大きくなってからでないと症状が出ない場合が多い。妊娠・出産に影響が出にくい筋腫。

ちなみに妊娠する前の子宮筋腫の症状としてみられるものには、月経痛・月経の量が多く、だらだらと止まらない過多月経(かたげっけい)・不正性器出血・下腹部の痛みや不快感・貧血が続く・腰痛・不妊・流産などがあります。

どうして筋腫ができるの?原因は?

あきらかな原因は解明されていません。「エストロゲン(黄体ホルモン)」の分泌が盛んな閉経までの期間は、筋腫が出来やすく、できてしまうと徐々に大きくなっていくこともあるようです。

このことから筋腫をもつ妊婦が増えたといわれる理由の1つとして、高齢出産の増加も考えられます。また、できやすい体質もあり、遺伝する可能性があります。

【参考URL】

お腹の赤ちゃんとお母さん、筋腫があるとどうなる?

お母さんと胎児、それぞれの症状やリスクには以下のようなものがあります。

お母さん
出血
子宮が引きつれるような痛み 子宮壁の伸びが悪くなる為、筋腫が引っ張られて起こる。お腹が大きくなる6か月頃が特に多く、張りを抑える薬や痛み止めなどが処方される
切迫流産・切迫早産 状態によって入院または自宅安静とし、張りを抑える点滴や薬などを使用する
流産・早産 子宮筋腫における代表的なリスク。定期的に診ていく必要がある。お腹が張りやすいので張りを抑える薬が処方される
前置胎盤早期剥離 胎盤が取れてしまうもので、筋腫が胎盤の近くに接している場合にリスクが高くなる。
前期破水 陣痛が始まる前に破水してしまうこと。
前置胎盤 胎盤が子宮の入り口を覆っていることをいう。通常子宮の入り口から離れた場所に着床して胎盤が成長していくが、筋腫があることで通常の場所以外に着床してしまうことがある。
微弱陣痛 筋腫が子宮の収縮を妨げてしまうため、陣痛が弱くなりやすい。
産道通過障害 問題なく普通分娩できることがほとんどだが、筋腫が子宮の入り口の方にある場合や大きさによっては帝王切開をする。赤ちゃんが筋腫を乗り越えたり押しのけたりして生まれてくることもある。
分娩時出血(弛緩出血) 筋腫があることによって子宮の収縮がうまくいかず、出血をみるもの。妊娠中に前もって輸血用で自分の血液を採取しておくこともある。
子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん) 出産後に子宮の収縮がうまくいかないことで悪露が子宮の中に溜まってしまったり、だらだらと出続けたりする。筋腫への感染や子宮内膜症などを引き起こすこともある。
赤ちゃん
胎児の栄養である血液を筋腫に横取りされてしまう為、胎児が小さく育つことがある。
胎位の異常 いわゆる逆子。逆子がなおりにくいなど。

妊娠中にできる治療って?

一般的には「手術療法」と「薬物療法」がありますが、妊娠している場合、基本的に特別な治療は行いません。定期的に様子をみていく「経過観察」になります。

お腹の痛みや張りなどがある場合は、妊娠中でも薬や点滴を行い対処していきます。命に関わるなど、場合によって手術が選択されることもあります。

妊娠していない時にできる治療にはどんなものがある?

手術療法 子宮を全て取り除く「子宮全摘出手術」と、筋腫だけを取り除く「筋腫核出術」の2つ。いずれもお腹にメスを入れる「開腹手術」だけでなく、子宮の入り口から子宮鏡を挿入して切除する方法や、お腹に数か所穴を開けて内視鏡を使いながら取り除く「腹腔鏡下手術(ふっくうきょうかしゅじゅつ)」などもある。
薬物療法 筋腫を大きくしていく原因の1つである女性ホルモン「エストロゲン(黄体ホルモン)」の量を薬によって減らし、筋腫を小さくしていくホルモン療法(GnRHa療法)。

引用:子宮筋腫岡山UAEセンター 図版参照

現在は「子宮動脈塞栓法(UAE)」「凍結療法」「集束超音波療法」などの新しい治療も導入されています。

また、妊娠していない場合でも「経過観察」のみ行う場合も多いです。

いかがでしたか?できる場所によって症状やリスクが異なる筋腫。

少し知っているだけでも変化に気づくことができ、対処できます。まずは無理をしないこと。

赤ちゃんの生命力を信じ、更にお母さんの筋腫に対する備えあれば憂いなし!です。

【参考URL】

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