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助産師が教える!貧血の予防と改善策について

前回は貧血の症状と影響について お話しました。今回はそれを踏まえて貧血の予防と改善策について詳しく説明します。

貧血の治療について

妊婦健診で行う血液検査で貧血と診断された場合、治療を行っていきます。食事療法と薬物療法が主な治療法となります。

① 食事療法

貧血が軽度(ヘモグロビン濃度10g/dl以上)のときは食事療法から開始してもよいとされています。

その考え方は病院によって様々ですので、医師の指示に従いましょう。

食品には、体内に吸収されやすいヘム鉄(吸収率15〜35%)と、吸収されにくい非ヘム鉄(2〜20%)があります。

ヘム鉄は肉や魚の赤色をした部分に含まれます。また、非ヘム鉄は卵や豆、穀類、野菜などに含まれます。

よって食品から鉄分を効率的に摂取したいと考える場合は、ヘム鉄系の鉄分を摂取するように心がけましょう。

鉄含有量の多い動物性食品をとることはアミノ酸を摂取することにもなり、ヘモグロビンを構成するタンパク質部分の原料ともなります。

植物性の非ヘム鉄から鉄分をとろうとする場合はビタミンCを摂取すると吸収率を高めることができます。

② 薬物療法

鉄欠乏性貧血には鉄分の投与を行います。

鉄剤はしばしば胃腸障害を来すので必要に応じて胃粘膜を守る薬を一緒に投与されることがあります。

妊婦さんは薬を飲むことに抵抗がある方も多く、処方されても実際に飲んでない方もしばしば見かけます。

しかし、前回お話しましたが、貧血は重症化するとママと赤ちゃんの生命に関わる危険な悪影響を与えます。

貧血の薬は副作用として、便秘、下痢、悪心、胸やけなどがあります。

実際に私も妊婦さんから「薬って飲まなきゃだめ?赤ちゃんに影響ないの?」「貧血の薬飲んだら気分が悪くなるから飲んでない。」などという相談をよく聞きました。

副作用がある場合は医師に相談しましょう。薬の種類を変えることや、静脈注射での投与も可能です。

まずは貧血にならないために予防することが肝心ですが、貧血になってからは食事療法のみでは改善できないため、薬を飲むことが必要です。

そのままにしておくと週数と共にどんどん貧血が進行して、妊娠中の弊害だけではなく出産時はママと赤ちゃんの命に関わることもあります。

赤ちゃんのためにもしっかりと貧血を直して出産に挑みましょうね。

貧血予防・改善のための食事療法のポイント

妊娠中は誰でも貧血になるリスクはあるため、できるだけ初期から気がけましょう。

① 食事は1日3食規則正しく食べ、偏食・減食・欠食はしない

② 毎食、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、栄養をバランスよく摂る

③ ヘム鉄と良質のタンパク質を含む食品を食べる

④ 非ヘム鉄の多い食品は、ビタミンCとタンパク質を一緒に摂る

⑤ ビタミンB12、葉酸も一緒にとって吸収率、造血作用アップ!

⑥ 鉄吸収を阻害するタンニンを含む緑茶、紅茶、コーヒーは控える

【参考URL】

鉄の食事摂取基準量

推定平均必要量 推奨量 上限量
18〜49歳 9 10.5 40
妊婦 16.5 19.5
授乳婦 7.5 18.5
単位はmg/日

鉄の含有量

ヘム鉄を多く含む動物性食品
肉類
豚レバー 60g 7.8mg
鶏レバー 60g 5.4mg
牛レバー 60g 2.4mg
牛モモ肉(和牛・赤身) 80g 2.2mg
牛ヒレ肉(和牛) 80g 2.0mg
魚介類
アサリ(水煮) 30g 11.3mg
うるめいわし丸干し 大1尾(60g) 2.7mg
きはだまぐろ 80g 1.6mg
かつお 80g 1.5mg
まいわし 80g 1.4mg
かき(むき身) 60g 1.1mg
しじみ(殻つき) 1/2カップ(80g) 1.1mg
非ヘム鉄を多く含む食品
野菜
小松菜 70g 2.0mg
スイートコーン 1本(200g) 1.6mg
ほうれん草 70g 1.4mg
枝豆 50g 1.4mg
そら豆 5~6個(50g) 1.2mg
切り干し大根 10g 1.0mg
その他
干しひじき 5g 2.8mg
青のり(素干し) 小さじ1(2g) 1.5mg
干しそば(乾麺) 100g 2.6mg
豆乳 コップ1杯(200g) 2.4mg
高野豆腐 20g 1.9mg
生揚げ 1/2丁(75g) 2.0mg
鶏卵 1個(60g) 1.1mg
ごま 大さじ1(10g) 1.0mg

貧血を防ぐ栄養素の働きと食品例

① タンパク質

鉄と結びついてヘモグロビンを作る。鉄の吸収を助ける。
赤身の肉、レバー、赤身の魚、貝類、ほうれん草、小松菜、ひじきなど

② ビタミンC

鉄を吸収されやすい形に変える。
野菜、果物全般

③ ビタミンB6

タンパク質の合成を助け、ヘモグロビンの生成に欠かせない。
まぐろ、さんま、いわし、さけ、鶏肉、豆類、卵、乳製品

④ ビタミンB12

葉酸と協力してヘモグロビンの生成を助ける。
レバー、あさり、しじみ、さば、卵、乳製品

⑤ 葉酸

ビタミンB12と協力してヘモグロビンの生成を助ける。
ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、菜の花

サプリメントについて

上記の食品別の鉄の含有量をみるとわかるように、1日の食事に鉄の推奨量を含ませようと考えても難しいこともあるかと思います。

できるかぎり食事で補うことは大切ですが、難しい場合はサプリメントを併用してもかまいません。

妊娠中でも服用できるものを選ぶことと決められた量を服用しましょう。不安であれば医師や助産師に相談するといいですね。

いかがでしたか?今回は貧血の治療法や予防の観点から食事のポイントなどについてお話しました。

一般的に妊婦さんは、妊娠中は鉄分を摂取しなければならないという認識が高いです。

しかし、実際の食事内容では、鉄の摂取量は必要量や推奨量を下回っていることが多いです。

とくに、体重を気にして欠食をする方もいます。朝食を欠食すると貧血のリスクが高くなり、食事回数によってヘモグロビン濃度が左右されることがわかっています。

まずは、規則正しい食生活を送ることが一番大切です。妊娠初期は、つわりでなかなか食べられない人もいると思いますが、

少しずつ食事を見直していきましょう。お腹の中の赤ちゃんもママがおいしくご飯を食べているときっと嬉しい気分になると思います。次回は貧血を効率よく予防するためのレシピについてお話します。

【参考URL】

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